Mosaicなお話 | もっとコンピュータが好きになるblog

Mosaicなお話

Firefoxの正式版1.0が出たという話もあったので,Firefoxを取り上げようかと思ってましたが,それよりも先にFirefoxの大先輩であるMosaicを取り上げてみようかと思います.結末がなかなか面白いので.あ,ウェブブラウザの話ですよ.

- NCSA Mosaic Home Page
- Mosaic (browser) - Wikipedia

現在爆発的に成長しているWWWですが,それは1989年に開発されました.当時はまだキャラクターベース(文字だけ)でしかやりとりできなかったのですが,1993年にイリノイ大学のマークアンドニューセン氏他が開発した今回取り上げるMosaicによって,テキストと同時に画像を表示出来るようになったのです.現在のブラウザの根元とも言えるブラウザなんですね.

今こうしてblogを楽しく読む事が出来るのも,全てはMosaicを作った開発者達の功績もあるですよ.

しかし,ただ出来たぁ,みんなハッピーってだけでMosaicの話が終われば良かったのですが,実はそうはいかなくて,大成功したMosaicの権利がイリノイ大学によって管理されてしまいます.その事に反発した開発者達は会社を興し,Mosaic以上の性能を持つブラウザの開発へと進むのです.

- ネットスケープ7・中級講座
- ブラウザの歴史

その会社が,有名なNetscape Communicationsって訳です.まあ,Netscapeという名前にもいろいろと歴史ありで,当初はMosaic Communicationsにする予定だったそうですが,クレームが付いてNetscape(Network + Landscape)になったそうです.

現在では,NetscapeとMozillaは別のプロジェクトになってしまいました(Mozillaがオープンソースのプロジェクトになった)が,元々Mozillaは(Mosaic + Godzilla:Mosaicを潰す怪獣)と言う意味の,Netscapeの開発コードネームでした.なんというか意気込みが感じられる名前です.

と,ここまできて,ふと何でNetscapeの話してんのに,上の画像はIEなんだという疑問が湧いてくるかと思います.ここでオチ.実はIEもMosaicの子孫,Netscape,Mozillaと兄弟みたいなもんなんですね.ブラウザ戦争なんてものやってますけど.IEのヘルプをよく見ると,Based on NCSA Mosaic. と書いてあります.これはイリノイ大学からSpyglassという会社にライセンスが渡り,それをMicrosoftが買った事で現在の状況となったんです.

さすがに今更Mosaicを使っている人はいないでしょうが,ネット上の97%ぐらいの人はMosaicの子孫たちの恩恵を受けて生活しているんですな.ホント偉大なソフトだと思います.



しかし,今回のトップの画像撮るの大変でした.本家サイトからダウンロードしたバイナリファイルが手持ちのLinux,Windowsで動かなくて,途方に暮れていた時,最期の望みでSolarisで動かしたら,かろうじて動いたって感じでした.しかし思うようには動かなかったなぁ.でも動いた時は嬉しかったので許す!

ついでのリンク.メモメモ:「Firefox を広げよう」キャンペーンの成功には Apple ファンもたじたじ